十二ヶ月

ゆらね的養生暦で一年間連載していた、お野菜のコーナーの記事をまとめました。

旧暦睦月のお野菜【葱】

【葱】は大きく分けると、根深ネギ(長ネギ)と葉ネギ(青ネギ)があります。根深ネギは冬、葉ネギは春が美味しいと言われています。僕は葱と言えばずっと葉ネギだったのですが、最近は根深ネギの美味しさに開眼。鍋にはマストですね。

葱の白い部分は、土寄せして日に当らないようにして育てるそうで。それを聞いた時、僕は「土から白(金)を生み出すなんて、五行そのものじゃん!」って、一人興奮してしまいました(笑)

そうやって手間暇が、甘くてトロっとした柔らかさを生み出してくれるんですね。
そのトロっとしたぬめりには、食物繊維がたっぷりなので、便秘の改善にもオススメです。

保存方法は、新聞紙に包んで冷暗所で保存。保存の際は、根が養分や水分を奪うので、根元はカットしておくと良いそうですよ。

* 選び方のポイント *

巻き:締まっていて、巻きがしっかりしている
葉:しわが寄っておらず、張りがある
色:緑と白の境目がくっきりしている
触:持ったときに、ふかふかしておらず弾力がある

* 薬効 *
疲労回復・生活習慣病予防・風邪の症状緩和
血流改善・胃の健康を保つ・貧血予防など・・・

* 属性 *

寒熱:平・微温
臓腑:脾・胃・肺
五味:辛
特徴:昇・散


旧暦如月のお野菜【キャベツ】

ど定番とも言えるお野菜【キャベツ】

この時期に出回る春キャベツは、葉の巻きがゆるく瑞々しくやわらかい。だから生食向き。一方冬のキャベツは葉がしっかりしてて甘みもある。なので焼き物や煮込み料理向き。

冬はギュッと、そして春はふんわりと。カラダもキャベツのように春はゆるめていきたいものですね。お野菜が色んなことを語ってくれているようで・・・おもしろいですね。

* 選び方のポイント *

葉の緑色が濃く鮮やかでツヤとハリがあるもの。冬キャベツは葉がしっかり巻かれてズッシリと重みのあるもの、春キャベツは葉がふんわりしたもの、黄色くないものを選んでくださいとのことでした。

* 薬効 *

キャベツは胃炎や潰瘍の回復に効果があるとされてます。そう、いわゆる「キャベジン」ってやつですね。「キャベジン」は水溶性ビタミン物質なので、水に溶けやすく、熱に弱い特徴があります。生食がベターなのでしょうが、個人的には軽く湯通しするか、スープとしてとるのが好きです。

* 属性 *

寒熱:平
臓腑:胃・小腸
五味:甘


旧暦弥生のお野菜【タケノコ】

この時季のまさに旬といえば【筍】

漢字をみても「竹(たけかんむり)」に「旬(しゅん)」と書くように、筍の成長は早く、約10日間で竹になる。つまり月を上旬、中旬、下旬と呼ぶように「一句」は約10日なので「筍」と書くようになったとか。漢字っておもしろいですね。

* 選び方のポイント *

先端は黄色いものの方が軟らかいそうです。いわゆる土の中に入っている状態ってこと。これが外に出てくると青くなってくるので、硬くなっていきます。外皮は薄茶色でツヤがあるものを選びましょう。

* 薬効 *
独特の香りには胃の働きを活発にし、消化を促進する作用があります。また成分に含まれているアミノ酸の一種「チロシン」は、脳の働きを活性化させるといわれ、老化防止効果が期待されているそうです。「チロシン」は、筍についてる白いやつです。そのまま食べちゃいましょう。

中医学的には、痰を除き、氣の巡りを良くしてくれたり(化痰下氣)や体内にこもった熱を収め、イライラを解消してくれます(清熱除煩)

* 属性 *

寒熱:寒
臓腑:胃・胆
五味:甘・微苦
特徴:降


旧暦卯月のお野菜【ジャガイモ】

海外では主食になるなど、世界的にみてもとてもポピュラーな食べ物【じゃがいも】

この時期はメークイン(May Queen)との名の通り新ジャガの季節。新ジャガは、瑞々しくシャキシャキと。越冬したジャガイモは、甘みがあってモチモチと。季節によって、味も食感も変わります。野菜から学ぶこと、多いですね。

* 選び方のポイント *

ジャガイモは大きく分けると「粉質」と「粘質」

ホクホクした食感で加熱することで煮崩れしやすい粉質系(男爵・きたあかりなど)は、マッシュポテト・粉ふきいも・じゃがバター・コロッケ・ポテトサラダなどに。

ねっとりした食感で煮崩れにしくい粘質系(メークインなど)は煮込み料理に最適です。

* 薬効 *

主成分はでんぷんでビタミンCやB1も豊富。

薬膳的には、胃腸を丈夫にし、エネルギー(氣)を補ってくれたり(健脾益氣)胃腸を整え(和胃調中)てくれたりと、夏や梅雨の時期にケアしたい胃腸の強い味方です。

* 属性 *

寒熱:平
臓腑:脾・胃・腎
五味:甘


旧暦皐月のお野菜【トマト】

【トマト】は少雨で温度が低い場所での栽培に適しており、カラカラの土の状態で、極力水を与えないでいると、ドンドン糖度が増していくのだとか。そんな過酷な状況下でのがんばりが円熟味のあるトマトに。感謝して味わいたいものですね。

* 選び方のポイント *

ヘタの状態を見極めること!収穫後時間が経っているものは、ヘタが乾いていたり黒ずんでいたりします。

また美味しいトマトの見極め方は、お尻の部分から放射線状の筋がたくさんあるのは、甘くて美味しいそうです。水に沈むトマトは甘いそうです。

* 薬効 *

「トマトが赤くなると医者が青くなる」

そんなことわざがあるほど栄養価たっぷりなトマト。赤い色の正体はリコピン。活性酸素の働きを抑える強い抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化の予防によいと言われています。

薬膳的には、カラダにこもった熱を冷ましてくれた(解暑清熱)のどの渇きを収めてくれたり(生津止渇)食欲を高め、消化を促進してくれます(健胃消食)夏にぴったりの食材ですね。

* 属性 *

寒熱:微寒
臓腑:胃
五味:甘・酸


旧暦水無月のお野菜【ズッキーニ】

【ズッキーニ】ってウリ科カボチャ属って知ってました?

きゅうりっぽいですが、実はペポカボチャ(日本ではおもちゃかぼちゃ)の仲間なんだそうで。現在のズッキーニはイタリアなどの地中海ものが多く「グリーントスカナ」「ロマネスコ」などの名がみられます。

* 選び方のポイント *

太過ぎず、皮にハリとツヤがあってなめらかなものだそうで、200gくらいのものがおススメだそうで。

保存方法は、古くなると実がスカスカになるそうで、買ってきたら新聞紙かビニール袋に入れて、冷蔵庫に入れて保存で、4~5日くらいまでです。

* 薬効 *

カロテンやビタミンCが豊富で、風邪や美肌などにおススメ。またオリーブオイルなどの油と相性がよく、一緒に食べるとカロテンの吸収率も一段とアップします。

旬は7月いっぱいくらいまでだそうです。ウリ科の食材(きゅうり・ゴーヤ・セロリなど)は、熱を冷ましてくれる働きがあるので、暑い夏にはとてもありがたい食材ですね。

* 属性 *

寒熱:寒
臓腑:脾・腎
五味:甘


旧暦文月のお野菜【とうがらし】

舞鶴市にある万願寺という地区で栽培がはじまり普及した「万願寺とうがらし」また伏見稲荷付近で栽培されたことでその名がついた「伏見甘長とうがらし」

他には万願寺と伏見の中間くらいの品種で「鷹ヶ峰とうがらし」ってのもあるそうで。【とうがらし】は京都の夏の食卓にはおなじみですね。

* 選び方のポイント *

果肉が肉厚で艶のあるものがよく、劣化してくるとシワシワしてきます。

保存方法はビニール袋に入れて密閉し、冷蔵庫にいれておけば一週間くらいはいけるそうです。とにかく水分をとばさないようにすること。常温で置いておくと、トマトのように追熟し、赤くなってくるそうです。

* 薬効 *

ビタミンの多さはピーマン以上と言われ、抗酸化力があり、疲労回復にも効果が期待できる夏バテしやすい季節に助かる食材ですね。

薬膳的には胃腸の冷えを温めて除いてくれたり(温中散寒)食欲を促進し、消化を助けてくれたり(開胃消食)します。

冷たいものを摂り過ぎたことによる食欲不振の時はありがたいですね。

* 属性 *

寒熱:熱
臓腑:心・脾
五味:辛


旧暦葉月のお野菜【オクラ】

秋葵と書いて【オクラ】国産ものの旬は7~9月。晩夏から初秋にかけて、美味しいオクラが味わえるそうで。

オクラをはじめ、モロヘイヤ・ツルムラサキ・空芯菜といったネバネバ系の葉野菜もこの時期に最盛期を迎えるそうです。これらのお野菜にはカリウムがとても豊富に含まれています。夏場の汗で不足しがちな陰液を補ってくれます。まさに自然の恵みですね。

あっ、オクラの花って食べれるんですね。初めて食べました。オクラの味がしてちょっと感動!

* 選び方のポイント *

オクラの先端を指でポンっ!とはじいてみて弾力のあるもの、折れるくらいのものがよいとのこと。

バイヤーさんなどは、先端をポンポンとはじいてポキッと折れたやつを購入されるそうです。なんかできる感じがしてかっこいいですね(笑)

また毛がついているものも新鮮な証し。塩ずりなどして、下処理しましょう。

* 薬効 *

ネバネバの正体はムチン。ムチンは整腸作用があるので、胃腸系のケアにはとてもありがたい存在です。またカラダの潤い不足による夏バテや便秘などの際には、心強い見方になってくれます。下痢っぽいときは控えめに。

* 属性 *

寒熱:涼
臓腑:腎・胃
五味:甘・苦


旧暦長月のお野菜【カボチャ】

【カボチャ】という名の由来は「カンボジア」が訛ったものとする説が有力だとか。「南瓜」という漢字表記は「南蛮渡来の瓜」なので。

ちなみに「冬瓜(とうがん)」は、冬まで保存できるほどの瓜ということで、冬が旬ということではないそうです。

さらにさらに・・・「糸瓜(へちま)」は、いとうり→とうり→いろはにほへとち→へち間→へちま、だそうな。ほんまかいな(笑)

* 薬効 *

陰陽五行で脾胃を養うものとして、黄色のもの、甘いものが挙げられます。そういう意味ではカボチャは、脾胃を元氣にしてくれる(健脾益氣)代表的な食材です。

しかし食べ過ぎると、潤いの性質を持つことから余分な水分が溜まって下痢やむくみの原因にも。ほどほどに。ほどほどに。

* 属性 *

寒熱:温
臓腑:脾・胃
五味:甘


旧暦神無月のお野菜【ごぼう】

漢字では【牛蒡】と書きますが、元々は牛の尾という意味の「牛房」だったとか。

中国から薬用として伝えられたそうで、食用として食べているのは世界的にみても日本だけだとか。美味しいのにねぇ(僕はごぼう、結構好きなんで)

お正月によくみられるのは「たたきごぼう」その意味として、地中に深く根を張るごぼうは、家や家族、家業などがその土地にしっかりと根を張って、安泰にという願いが込められてるとのこと。

グラウンディングしたい時にはごぼう!って感じですね(笑)

* 薬効 *

ごぼうの辛味には発散の力があり発汗作用が寒邪を、また利尿作用が湿邪を除き、氣の巡りをよくすることで、体を温めてくれます。薬効成分は皮の部分に多く含まれているので、風邪の予防等には剥かない方がおすすめ。

* 属性 *

寒熱:寒
臓腑:肺・胃
五味:苦・辛


旧暦霜月のお野菜【ブロッコリー】

多くのビタミンCを含んでいる【ブロッコリー】の旬は冬。風邪の予防にも効果を発揮してくれそうですね。酸化しやすい食材なので、黄色くなったものは避けましょう。ちなみにカリフラワーは、ブロッコリーの変種だそうで。へぇー。

* 薬効 *

関節を丈夫にして、氣の巡りをよくしてくれます。関節に不安を感じる寒い時期には助かります。また胃腸に優しいので、エネルギー不足の方(氣血両虚)や、お年寄りの方にも良いかと。

* 属性 *

寒熱:平
臓腑:肝・脾
五味:甘


旧暦師走のお野菜【大根】

春の七草のひとつ。別名「すずしろ(清白)」おろしてよし、煮てよし、漬けてよし。万能っ!!

生の大根をおろした時にできるツンとする香りとピリッとした辛さ。あれは「イソチオシアネート」と呼ばれる成分で、消化液の分泌を促進し、血中にある脂肪の代謝を高めてくれます。

特に大根の先端部分と皮に多く含まれているので、おろすときは皮ごとがオススメ。

* 選び方のポイント *

1、張りとツヤがあり、まっすぐ伸びて、太いもの
2、持った時に、ずっしりと重いもの
3、葉がついている場合は、葉が活き活きとしゃきしゃきしてるもの

保存の仕方ですが、葉の部分から水分が失われるので、付け根近くから葉を切り落とし、分けて保存しましょう。

* 薬効 *

大根の「ジアスターゼ」は消化を助け、胸やけを収めてくれる効果が。薬膳的にも、氣の巡りを促し、胃腸の働きを整えてくれる(下氣和中)食材として考えられています。

* 属性 *

寒熱:涼(平)
臓腑:脾・胃・肺
五味:辛(生)・甘(加熱)